DJ経験者が一度は通る悩みが「ファイルフォーマットはどれが良いのか問題」ではないでしょうか。
僕自身もモヤモヤしていたため思いきり調べてみました。
違いを簡単に
WAV
・マイクロソフトとIBMにより開発された音声ファイルフォーマット
・非圧縮
AIFF
・アップルにより開発された音声ファイルフォーマット
・非圧縮
MP3
・圧縮された音声ファイルフォーマット
・本記事では最高音質である320kbpsを前提
WAVとAIFFの中身は一緒です。入れ物が違うだけ。
MP3は、高度な圧縮技術によりWAV、AIFFのファイルサイズを概ね1/4まで圧縮してくれます。
なぜこの3形式を比較するのか
この3つはDJ機材や音楽機材において、最も普及・対応しているフォーマットであるからです。
圧縮や音質に優れた良いフォーマットは他にも存在しますが、機材が対応していなければ意味がないのです。
結論
DJプレイにおける音声ファイルフォーマットは、MP3(320kbps)で問題ない。
ただし、可能ならWAVかAIFFが良い。最強なのは曲情報も入るAIFF。
その理由ですが、Web上には数々の比較記事があり、MP3(320kbps)とWAV、AIFFはクラブで聴き比べても判断は難しいとのことです。
最終的に僕が納得したのは、m-flo ☆Taku Takahashi氏のこの記事でした。
「DJ用の楽曲データは今MP3で320Kbpsあれば十分な音質と言われていますけど、やっぱり16bit/44.1KHzや24bit/48KHzの非圧縮音源だと高音が綺麗になるせいか、クラブで重要になる低音の感じ方も変わってくるんですよね。」
名刺よりも小さなSSD「T5」。m-floの☆Taku Takahashiが満足した「速さ」と「軽さ」 | ギズモード・ジャパン
なるほど。MP3で十分な音質だけど、より良いのはWAV、AIFF。
ただしWAVとAIFFに決定的な違いがあることにより、一気に勝負がついてしまいます。
それは、AIFFはタグ情報(楽曲情報やジャケット画像など)が記録できるのに対し、WAVはできないという点にあります。
曲やジャケット情報がファイルに含まれた方が良いですよね。
整理すると次の表のようになります。
音質 | ファイルサイズ | 曲情報 | |
MP3(320kbps) | ◯ | 小 | ◯ |
AIFF | ◎ | 大 | ◯ |
WAV | ◎ | 大 | × |
最後の決め手は、特に音質に拘りがある浅倉大介氏がAIFF押しであることです。
CDからiTunesに取り込む場合は、iTunesアプリケーションの【環境設定】>【一般】からAIFF、44.1kHz、16ビット、ステレオをお勧めします。圧縮せずそのままの音質でiPodやiPhoneで聴いてもらえると思います。 http://t.co/nIHve337
— 浅倉大介 (@daisukeasakura) August 21, 2012
過去にCCCDというコピーガードCD規格が出たときに、音質面を疑問視したのは浅倉大介、奥田民生、後藤正文の3人だけだったそうです。
参考: MP3 vs AIFF
ここはどちらでも良い領域になっているのですが、あえて比較してみます。
容量と音質のどちらを重視するかということになります。
例えば、AIFFで1曲50MB、16GBのUSBメモリを使うと320曲入ります。
MP3で仮にサイズ1/4とすると、12.5MBとなり、1,280曲入ります。
・常に大量の曲をストックするならMP3
・厳選気味で最高の品質に拘るならAIFF
ということになりそうですが、最近はUSBメモリも安いですし、DJは曲数が入る=良いということではないと思いますので、頂上決戦はAIFFに勝負ありでしょうか。
参考
・32GB→AIFF: 640曲 / MP3: 2,560曲
・64GB→AIFF: 1,280曲 / MP3: 5,120曲
・128GB→AIFF: 2,560曲 / MP3: 10,240曲
最後に
Webで色々な記事を読み、また賛否両論あったりと、落とし所を見つけるのに苦労しましたが、DJにおいてWAV、AIFF、MP3(320kbps)のどれを選んでも間違いありません。
すでに作り上げたプレイリストがあると思いますので、今後整理する機会のご参考になればと思います。
また、MP3は圧縮ソフトでも音質の違いがあるようなのですが、この領域まで来るとなかなか専門的で辛いものがあります。
圧縮ソフトの差を気にしなくて良い、音が最強、タグ情報も入る、やはり順位付けするならAIFFが最強のようです。