DTMソロ活雑記

MAAA「Reason」2023.7.14 Release


ボカロの魅力について考えてみた【DTMユーザー視点】

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今回は、YAMAHAが開発したボカロこと、VOCALOIDボーカロイド)の魅力について、リスナー視点ではなく、DTMユーザー(制作・クリエイター)側としての魅力をお伝えします。

歌うソフトという革命

ボカロが登場する以前、「歌もの」を制作するのはDTMユーザーに取って大きな壁でした。

ボーカルの録音の壁というのは1つではなく、壁の集合体です。

〜ボーカル録音の壁
・ボーカリストの発掘から依頼まで
・自分で歌うとしても、防音環境が整わないと厳しい
・マイク、マイクプリアンプ、オーディオインターフェイスについて各種「それなりのレベル」を揃える必要がある

さらに、芸術性が問われる編集、ミックス。ボーカルはピッチが合っていれば良いわけではないというのは有名な話で、先日の関ジャムにおいてもミスチルのサビで上ずっている、音程的には外れているが、それが人の感動を呼んでいるとの分析がありました。

ため息が出るほどに、DTMユーザーにとってボーカル録音が壁だった理由が伝わったでしょうか。

なので、以前のDTMユーザーは、

・歌はシンセメロで

・そもそも歌ものは作らない

という選択をしていたことも多かったのです。
歌ものを作れるのは、相応の環境のあるプロになるしか、、そんな感じでした。

そんな中登場したのが、MIDIを打ち込めば歌ってくれるという神がかったソフトボーカロイドでした。

人の発掘、依頼、防音、高価なマイク類、高度なボーカルMIX技術といった壁がなくなったのです。

魅力あるキャラクター

ヤマハボーカロイド自体には、初音ミクのようなキャラは付随していません。

VOCALOID」はあくまで音声合成技術の名称です。

ところが、クリプトン・フューチャー・メディアからキャラ設定された日本語ライブラリ「MEIKO」が発売されると、これは画期的だとDTMユーザーに大ヒット

その後、VOCALOID2とバージョンアップし、初音ミクも登場。その後の快進撃は、DTMユーザーでなくても知るほどです。

さらにリスナーは、ボカロキャラを歌手として認知して聴くようになり、その楽曲制作者をボカロPと呼ぶ文化が生まれました。

人間vsボカロ

では、仮に同じ楽曲の場合、人間のボーカリストが歌うのと、初音ミクが歌うのと、どちらが良いでしょう?

結論を言えば、どちらが良い、はありません。

それぞれの良さがあります。これはもう作り手よりも、聴き手の好みです。

「歌」に感情などの人間性を求めて聴いてる人には、ボカロはロボットっぽいので違和感があるでしょう。

ただ、人が歌っても必ずクセというか特徴は出てきます。全員が好むものというものは存在しなく、必ず好き嫌いがあります。

誰かに頼んで、リスナーに好みでない歌声だと指摘されて、せっかく作った曲なのにな、なんて思うくらいなら、自分でボカロで完結して制作した方が後腐れがないでしょう。

とは言っても、人間と比較できる、ということ自体ボカロの技術は物凄いと思います。

でもやっぱり最後は、作り手の気持ちでしょうか。

・この曲は人でないと出せないニュアンスがある

・この曲の責任は全部自分で持ちたい

色々あると思いますが、前提として楽曲として素晴らしい曲であるのならば、人間でもボカロでも、どちらを選んでも素晴らしい曲であることに変わりはありません。

ご自身の環境やスタイルに合わせての制作で、間違いないと僕は思います。

自分で歌わないから創れる世界観

歌詞を流し込めば何でも歌ってくれます。

自分自身で歌うには恥ずかしかったり、、異なる世界観の楽曲であっても、ボカロが歌うので創ることができます。

これが非常にメンタル面で楽しいというか、ボカロの優れた面です。

最後に

必ず音楽には好みがありますし「ボカロを敬遠する人がいるから、人間で、、」と選択しても、そこには依頼する予算だったり、自分で歌うとしても自分では言いたくない歌詞だったりと、それぞれの選択先でそれぞれ何かがあるのは仕方のないことです。

結局のところ最後は、リスナーの好みは二の次で良いので「自分が好きかどうか」で決めていくのがベストだと思います。

ボカロはどんどん進化していますので、今後の動向にも注目しながら音楽制作を楽しんでいきましょう。